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セグロアジサシは大海原へ

 8月16日台風で大きく荒れた日の翌日に、香美市物部町でセグロアジサシが保護されました。セグロアジサシは主にインド洋や大西洋などの熱帯海域の海で暮らす海鳥として知られています。夏場に日本の小笠原諸島や琉球の島々にやってきて繁殖します。

 どうして高知県で、しかも海から離れた物部町で保護されたのでしょうか?台風に巻き込まれて運ばれたと考えられ、その後衰弱して飛べなくなってしまい落下したのでしょう。今回のように、強い台風の翌日にアジサシやミズナギドリ等の海鳥が保護されることが、年に1〜2回ほどあります。

 セグロアジサシの成鳥は美しい黒と白のツートンカラーですが、この個体は羽の色が全体的に黒っぽくまだ若鳥です。最初、餌のワカサギを目の前に置いてみましたが全く食べません。試しに、ピンセットで口元まで持っていくと・・・食べました!その後もしばらくは、何時間かおきにワカサギを食べさせていました。

 餌を食べるようになって、徐々に体力が回復してきました。最初は座り込んでいましたが、自力で立って歩けるようになりました。なので、日光浴ができる広い場所で、タライの水に浮かべたり、羽ばたきの時間を設けました。最後には、ピンセットでワカサギを差し出してもなかなか食べない代わりに、自力で拾って食べるようになりました!

 そろそろ海に放せるかもしれない!ということで、9月2日の午後、物部川の河口にあるトリム公園に連れて行きました。海鳥は助走をつけて飛んでいくタイプの鳥ではなく、海からの向かい風に乗って飛ぶので、海風が強くなる午後に放すことにしました。お散歩でいらした方も見守る中、波打ち際で段ボール箱を開けて、カメラの動画を・・・と準備している間に、フワッと浮き上がり大空高く飛び上がってしまいました!その後は、陸の方へ大きく旋回しつつ、高度を保ったまま沖の方へぐんぐん羽ばたいていきました。無事に飛び立つことができてよかったです。今頃、仲間が生活する南の海まで到着しているでしょうか・・・

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羽が全体的に黒っぽく地味な模様です


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あっという間に大空高く飛んでいきました!